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2番以降は指示書なし、丸投げから生まれた名場面【姫生のーむPlazma MV徹底解説 第8回】

推しにゅ〜編集部

推しにゅ〜編集部が惚れ込んだ姫生のーむさんの『Plazma』MV解説動画を全10回で深掘りする連載、第8回。今回はチャプター8「2番以降全部丸投げ」、指示書が途切れたその先で生まれた名場面のお話です。

推しにゅ〜編集部 一押し特集 MV徹底解説 全10回連載

前回は1番のサビで「なんか戦う」の一言からバトルシーンが立ち上がった、という驚きの制作裏話をお届けしました。ところが本人いわく、丸投げはそこで終わりではなかったのです。

1番までは指示があった。2番からは「センスで埋めてください」

MV2番のパートより、淡い光を背にした丸いシルエットが浮かぶ夜のカット

画像は「【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ」MV(YouTube)より

姫生のーむさんが動画内で明かしたところによると、このMVはプロデューサーのG-ya001(ジーヤ)さんがシーンごとに指示書を書きながら進めていました。ただし、それが機能していたのは1番まで。2番以降はキャラクターイラストを担当した神崎先生に「センスで埋めてってください」と丸投げされていたのだそうです。本人も思わず「すげえ」と漏らしています。

冷静に考えると、MV後半をまるごと一人の描き手の裁量に預けるのは相当な賭けです。ところが返ってきたのは、本編の中でもとりわけ語りどころの多いパートでした。

マンホールから覗き込むカットは「天才だと思いますね」

丸投げされた2番で神崎先生が描いてきたのが、マンホールから顔を覗かせるカットです。しかも曲の展開に合わせてボールが額に当たり、そこへG-yaのマスコットロボットがぶつかってくる、という流れまで組み立てられています。

指示書がないのに、曲とここまで噛み合わせてくる。姫生のーむさんの評価はシンプルに一言、「天才だと思いますね」でした。制作の経緯を知らずに観れば、当然そう指示されて描かれたものだと思ってしまう完成度です。

レイヤー分けの妙——抱えるカットはこうして生まれた

MVより、ニット帽をかぶった丸いマスコットを抱える姫生のーむさんのカット

画像は「【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ」MV(YouTube)より

このパートのもうひとつの見どころが、姫生のーむさんがG-yaロボットを抱え込むカットです。これが成立したのは、神崎先生にイラストをレイヤー(絵の層)を分けた状態で描いてもらっていたからだと本人は説明します。キャラクターと小物が別々の層になっていれば、動画側で自在に動かして「抱きしめる」構図を組み立てられるわけです。

逆に言えば、もし一枚絵としてまとめてもらっていたら、この場面は違うものになっていたかもしれません。姫生のーむさんは「ここで抱きしめるのはG-yaじゃなくて(愛犬の)ルビーちゃんでもよかったかも」という後日談も添えていました。同じ素材から別の名場面がもう一本生まれていた可能性がある、というのはなかなかロマンのある話です。

さらに、動画を担当したやぬひさ先生からは、このカットについて「配信で何かをしてしまって落ち込み、そのあとG-yaを抱きしめる——という流れに見える」という趣旨の考察も寄せられていたのだとか。指示書のない余白に、作り手それぞれが物語を読み込んでいく。丸投げが生んだのは絵だけではなかったようです。

セルフパロディ、そして飛んでいった帽子

2番以降には、本家アニメで見覚えのあるシーンやキャラクターを、姫生のーむさん自身に置き換えたセルフパロディも詰め込まれています。動画内で名前が挙がったのは「エグザベ子ものーむ」と「シャリア・ブルのーむ」。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』を追いかけているガンダムファンほど、ニヤリとできる仕掛けです。

そしてもうひとつ、本人が誰よりも先に自分でツッコんだのが帽子です。ボールが当たった衝撃で帽子が飛んでいるのに、次のカットでは何事もなかったように、しれっと帽子をかぶっているのです。「不粋なツッコミはやめてください皆様」と言いながら、チャット欄で誰も指摘していないうちに自分から先に言ってしまう。この自己申告の速さも、解説動画としての大きな味わいどころになっています。

まとめ:丸投げは、信頼の裏返しだった

指示書がないことは、普通ならトラブルの種です。しかしこのMVでは、それがそのまま「描き手のセンスをそのまま画面に載せる余白」として働きました。覗き込みのカット、抱えるカット、セルフパロディの数々——どれも指示されて生まれたものではなく、余白の中から出てきたものだというのが、チャプター8のいちばんの驚きです。

そしてその余白を成立させていたのが、レイヤー分けという地味で丁寧な仕込みでした。名場面の裏側にどれだけの手数があるのか。ぜひ本人の解説で確かめてみてください。

動画はこちら

解説動画:ガンダム愛100%!ジークアクスのOPをガチで作り込みすぎた結果ww【父親にガノタにされた女V】#Plazma

MV本体:【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ

役割担当
歌・ロゴ姫生のーむ
イラスト(キャラクター)神崎
イラスト(ロボット)キャムウー
動画やぬひさ
インスト・サウンドプロデュース太田晴之
ミキシングエンジニア鈴木惇也
プロデューサーG-ya001(ジーヤ)

次回・第9回は、チャプター9「ラスサビのお話」。本家と見紛うキラキラ素材の正体と、たった一枚の絵を20分割した執念の作業に迫ります。