サビの指示書はたった一言「なんか戦う」【姫生のーむPlazma MV徹底解説 第7回】
推しにゅ〜編集部が惚れ込んだ姫生のーむさんの『Plazma』MV解説動画を全10回で深掘りする連載、第7回。今回は解説動画の8分00秒から始まるチャプター7「サビは丸投げ」を取り上げます。

曲がいちばん熱くなる1番のサビ。ロボットに乗り込み、光の中を駆け抜け、仲間と戦う——MVの見せ場が一気に押し寄せるパートです。ところが姫生のーむさんは、この場面について「衝撃情報」と前置きしたうえで、視聴者の想像を裏切る裏話を明かしました。あれだけ作り込まれた戦闘シーン、実は指示書がほぼ存在しなかったというのです。
まずは「乗る」——ノムダムに乗り込むカット

画像は「【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ」MV(YouTube)より
サビの入りで描かれるのは、姫生のーむさんが機体に乗り込む場面です。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』のオープニングにあたるカットを、姫生のーむさんの機体「ノムダム」に置き換えて再現しています。
ノムダムを手がけているのは、以前から姫生のーむさんのロボットを描いてきたキャムウー先生(MVクレジットのIllustration (Robot))。キャラクターを担当した神崎先生とは別に、ロボット専任の絵師が付く体制そのものが企画の本気度を物語ります。「ジークアクスのオープニングをリスペクトして、なるべく再現してやろう」という制作方針が、サビに入っても一切ゆるんでいないわけです。
コックピットで照らされる、あの一瞬まで拾う

画像は「【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ」MV(YouTube)より
続くのが、コックピットで光に照らされるカットです。ロボットアニメのオープニングでおなじみの、あの緊張感のある画づくりを、そのまま拾いにいっています。
解説動画では、姫生のーむさんが本家のどのカットに対応しているのかを一つひとつ挙げながら進んでいきます。ガンダムファンなら「あ、ここね」と即座に分かる場所ばかり。「父親にガノタにされた女V」を自称する姫生のーむさんだけに、外せないカットの選び方が容赦ありません。
指示書に書かれていたのは「なんか戦う」だけだった
ここからが本題です。姫生のーむさんによれば、『Plazma』のMVはプロデューサーのG-ya001(ジーヤ)さんがシーンごとに細かい指示書を書いていたそうです。ここではこう動かす、ここではこの構図で——と、かなり具体的に。
ところが、です。サビに入る前まではあれほど細かかったその指示書が、1番のサビに来た瞬間、たった一言になっていたといいます。
なんか戦う
それだけ。動画(Movie)を担当したやぬひさ先生に対して、実質「いい感じで動かしてください」と丸投げされた格好です。姫生のーむさんも「むちゃぶりすぎる」「動画の先生に丸投げでございます」と笑いながらツッコミを入れていました。
ここで完成したMVを思い出してほしいのです。あの戦闘シーンは機体が動き、ロボットが走り、犬が駆け、画面がめまぐるしく切り替わる、MV屈指の情報量を持つパートです。それがたった一言の指示から生まれている。「なんか戦う」から、あれが出てくる——この一点だけで、やぬひさ先生の仕事の凄みが伝わってきます。
G-yaロボットは、たった1枚の絵で走っている
戦闘シーンで一緒に画面を駆け回るのが、プロデューサーのG-ya001(ジーヤ)さんをモチーフにした丸っこいマスコットロボットです。姫生のーむさんは動画内で、「本来ならあの名前で呼びたいけれど、権利のことがありそうなのでG-yaと呼んでいる」という趣旨のメタ発言も添えています。この自己申告がまた楽しい。
そのG-yaロボットが、画面の中を軽やかに、ぬるぬると走ります。当然コマごとに描き起こしたアニメーションだろう——と思いたくなりますが、明かされたのは正反対の事実でした。
G-yaロボットはアニメーションではなく、たった1枚のイラストを駆使して、走っているように見せているというのです。
もうわかんない。何回見てもどう見てもあの1枚1枚書き起こしたんだろうなという風な見え方にしかならない。これ何が起きてんの?嘘だと言ってよ
本人ですら種明かしを聞いたあとで混乱するレベルです。しかも同じ場面では、姫生のーむさんの愛犬・ルビーちゃん(トイプードル)も一緒に走っており、その犬特有の走り方まで完璧だと絶賛しています。走り方の癖という、言われるまで意識しない部分にこそ動画担当の腕が出ます。
まとめ:「丸投げ」を成立させたのは、技術と信頼
「なんか戦う」という指示書は、単体で聞けば笑い話です。けれど、それで成立してしまった結果こそがこの章の読みどころだと編集部は考えます。任せた側には「この人なら成立させる」という確信があり、任された側はその期待を上回る形で返した。だから視聴者は、指示書の中身など想像もしないまま「戦闘シーンかっこいい」と受け取れるのです。
解説動画を見たあとでMV本編を見返すと、G-yaロボットが走るたびに「これ1枚なんだよな……」と目が離せなくなります。ぜひ、その順番で体験してみてください。
動画はこちら
解説動画:ガンダム愛100%!ジークアクスのOPをガチで作り込みすぎた結果ww【父親にガノタにされた女V】#Plazma
MV本体:【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 歌・ロゴ | 姫生のーむ |
| イラスト(キャラクター) | 神崎 |
| イラスト(ロボット) | キャムウー |
| 動画 | やぬひさ |
| インスト・サウンドプロデュース | 太田晴之 |
| ミキシングエンジニア | 鈴木惇也 |
| プロデューサー | G-ya001(ジーヤ) |
次回・第8回は、チャプター8「2番以降全部丸投げ」。指示書が「なんか戦う」どころか、2番以降はそもそも無かったという続報をお届けします。