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「一時停止したでしょ」神崎先生ガードは完璧でした【姫生のーむPlazma MV徹底解説 第6回】

推しにゅ〜編集部

推しにゅ〜編集部が惚れ込んだ姫生のーむさんの『Plazma』MV解説動画を全10回で深掘りする連載、第6回。

推しにゅ〜編集部 一押し特集 MV徹底解説 全10回連載

今回取り上げるのは、20分の解説動画のなかで、本編パートとしてはもっとも短いチャプターです。時間にしてわずか44秒ほど。それでいて、視聴者との距離がいちばん近くなる場面でもあります。章タイトルは、ずばり「パンツ見える?」。……身構えないでください。オチは驚くほどきれいに「作り込みの話」へ着地します。

「正直に言いなさい。このシーンで一時停止ボタンを押したやつ」

MVより、姫生のーむさんが大きく映るアップのカット

画像は「【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ」MV(YouTube)より

チャプター6は、MVのあるカットが画面に映った瞬間、姫生のーむさんが解説をぴたりと止めて、画面の向こう側へ切り込むところから始まります。

正直に言いなさい。このシーンで一時停止ボタンを押したやつ。

そして畳みかけます。「姫生のーむのパンツが見えてるんじゃないかと思わず押してしまいましたという人、手を上げなさい」。ここまでを、ほぼ一息。制作裏話を丁寧に語ってきた流れから、いきなり容疑者を名指しする取り調べに切り替わるので、聞いているほうは完全に不意を突かれます。

「残念でした。神崎先生ガードが入ってます」

たっぷり間を取ったあと、判決が下ります。

残念でした。ここは神崎先生ガードが入ってますので見えません。

神崎先生とは、このMVのキャラクターイラストをほぼ全面的に担当したイラストレーターの神崎さんのこと(連載第2回で紹介したとおり、静止画だけで30枚以上、アニメーション用を含めると100枚以上を描き上げた方です)。その名前が、そのまま鉄壁の防御力の呼び名になっているのが、この一言のおもしろさです。

下ネタとして落とすのではなく、「描いた人がちゃんと考えて描いているから、見えない」という結論に持っていく。ボケの着地点がクリエイターへの信頼になっているので、笑ったあとに嫌な後味がまったく残りません。44秒でこれをやりきるのは、なかなかの職人芸です。

このボケが成立するのは「止めて見る人がいる」という前提があるから

改めて考えると、この掛け合いは前提がかなり特殊です。視聴者がMVを一時停止しながら見ている——そう信じていなければ、この振りは投げられません。

通常、歌ってみたのMVは3分間を通しで流して終わり、というのが自然な見方です。ところが姫生のーむさんは、ここで「一時停止した人がいる」という前提のまま話しかけています。だからこそ「押したやつ、手を上げなさい」という取り調べが成立し、視聴者側も「いや押してないですけど……」と目を泳がせるという、共犯関係のような笑いが生まれます。

つまりこのチャプターは、内容としては小ネタでありながら、「このMVは細部まで見られている」と本人が信じていることそのものをネタにした場面だと言えます。

止めないと気づけない仕掛けが、実際に埋まっている

そしてこれは決して思い込みではありません。解説動画を最後まで見ると、姫生のーむさん自身が、止めなければ絶対に気づけない仕掛けをいくつも紹介していきます。

  • ラスサビの一瞬のキラキラの奥に、小さな音符がいくつも飛んでいること(本人いわく「これ一時停止しないと絶対わかんないの」)
  • 1枚のイラストしかなかったカットを、動画担当のやぬひさ先生が20分割して動かしていること
  • 最後の背景にだけ、ファンにゆかりのあるマークがそっと紛れ込んでいること

締めくくりで本人が語るのも、まさにこの点です。「1つ1つ止めてよく見ないと気づかないような細かな仕掛けを、このプラズマのMVにはこんだけたくさん盛り込んでいただきました」。止めて見てほしいという設計思想が、MV全体に通っているわけです。

そう考えると、チャプター6の取り調べは、じつは制作陣への最大級の賛辞でもあります。作り手が細部に仕込みを入れ、視聴者がそれを探しに一時停止する。その往復が起きている時点で、このMVは勝っているのです。

まとめ:44秒のボケが、MVの見方を変えてしまう

章タイトルだけを見ると、単なる小ネタに思えます。しかし中身は、視聴者が思わず一時停止してしまうほど作り込まれた映像であるという確信の表明であり、それを描いた神崎先生への信頼の表明でもありました。笑わせにきているようで、いちばん大事なことを言っている——この連載を通して何度も出てくる、姫生のーむさんらしい構成です。

まだMVを見ていない方は、ぜひ一度は通しで、そのあともう一度、遠慮なく一時停止しながら見てみてください。止めるたびに、誰かの仕事が見つかります。

動画はこちら

解説動画:ガンダム愛100%!ジークアクスのOPをガチで作り込みすぎた結果ww【父親にガノタにされた女V】#Plazma

MV本体:【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】Plazma - 米津玄師 / Cover by 姫生のーむ

役割担当
歌・ロゴ姫生のーむ
イラスト(キャラクター)神崎
イラスト(ロボット)キャムウー
動画やぬひさ
インスト・サウンドプロデュース太田晴之
ミキシングエンジニア鈴木惇也
プロデューサーG-ya001(ジーヤ)

次回・第7回は、チャプター7「サビは丸投げ」。1番のサビの戦闘シーンに用意されていた指示書が、たった一言だったという衝撃の裏話をお届けします。

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